【体験談】ドイツで大怪我!海外出張保険の価値は治療費ではなかった話

ドイツで怪我して救急外来
エーテル

たった一つの「命綱」に救われた実話です。

この記事でお伝えしたいこと

この記事を読めば、海外出張保険で本当に重要なのは「治療費の額」ではなく「もしもの時に頼れる日本語サポート」だということが分かります。ドイツでの筆者の実体験を元に、その理由を詳しくお話しますね。

海外出張の準備持ち物だけではありません!

目次

はじめに:海外出張の準備、その「保険」は本当にあなたの命綱ですか?

海外出張が決まったら、何をしますか?
現地でのタスク確認、持ち物・ホテル・フライトの準備。いろいろ思いつく中で「海外保険」はリストアップされましたでしょうか?
このブログでも出張中の健康管理の重要性と難しさについては折に触れてお話していますが、気をつけていても怪我をしてしまうことや病気になることもあります。

「会社が準備してくれているからなんとかなるだろう」「自分は大丈夫だろう」・・・そう思っている方へ。
これは、かつて同じように考えていた私が、ドイツの静かな日曜日に指の血と不安が止まらなくなるという絶望の淵に立たされ、たった一つの「命綱」に文字通り救われた実話です。

悪夢のはじまりは、ありふれた日曜日のキッチンで

少し前の話になります。2019年の冬。ドイツでの生活にも慣れ毎日が充実してきた頃の週末、日曜日でした。
ドイツの日曜日はスーパーやレストランなど、ほぼすべてのお店が閉まっています。
日本ではなかなか経験できない静かで穏やかな日曜日、料理をしながらゆっくりと過ごしており、いつものように玉ねぎを刻んでいたその時。手元が滑って左手の人差し指に痛みが走りました。誤って指を切ってしまい出血。

料理をする以上珍しいことではないのですが、包丁の傷が思ったより深く、出血が止まりません。
30分間ほど圧迫止血をしても止まらないとき、「もしかしたらやばいかも」と思い始めました。

血と不安が止まらない。頼れるものは何もない休日

ドイツの日曜日。ほとんどのお店は法律で閉まっています。街は本当に静かで、人通りもまばら。
「日曜日って病院やってるのかな・・・?」という疑問が真っ先に思い浮かびました。

これまで病院には行ったことがありました。そのときは知人の日本人に紹介された日本語が通じる病院を選んで電話予約をしていました。その病院が日曜日やっていないことは知っていました。

「どうやって病院を探すの?」「予約とか必要なの?」「英語で大丈夫?」
慣れてきたとはいえ、外国。
指の痛みよりも、この「具体的に何をどうすれば良いのかが分からない」という状況は不安をつのらせ、ちょっとしたパニック状態まで追い詰められた記憶があります。

とはいえ出血の止まらない指・・・「途方にくれている場合ではない」と思いました。

暗闇に差した一筋の光、それは一本の電話だった

その時、海外に出る前に会社で研修を受けた際に、緊急時に使えるサポートデスクがあることを思い出しました。
もらっていたカードを見ると書かれていたのは+81から始まる日本の電話番号。
藁にもすがる思いで電話をかけると聞こえてきたのは落ち着いた日本語でした。

International SOSです。どうされましたか?」

(正確なセリフはうろ覚えですが)その落ち着いた声が、パニック寸前だった私の心をどれほど鎮めてくれたことか。状況を説明すると、電話口でドクターに繋いでくれました。
丁寧な質問で「そこまで重症ではないが病院に行ったほうが良いですね」の一言。
声だけの診察でも、これだけ安心するんだなと強く感じたことを覚えています。

その後は最初に受け付けてくれた方も交えて現地病院探しと予約手配まで・・・
自分の場合は予約が出来る病院が家の近くになかったのですが、明確に「この病院なら何時まで受け付けてくれている。タクシーで救急外来に向かうと良い」とのアドバイスをくれました。

早速タクシーアプリで手配し、病院へ。とてもスムーズでした。

病院に着いてからが、本当の「安心」のはじまりだった

病院についてからは、受付でプライベートの保険証、パスポートを提示。とてもスムーズな手続きでした。
病院も慣れている感じで、「さすが、保険会社が教えてくれた病院」という感じでした。

ベテランの先生が傷を見てくれ、「破傷風ワクチンは受けてる?」との質問。パスポートと一緒に持っていたワクチン接種証明を見せ一安心。
「縫わなくても大丈夫。テープで固定するから明日になってまだ出血するようならまた見せに来て」ということで、細くてとっても固いテーピングで処置をしてくれました。

そして治療も終了し受付へ。
「後日支払いの明細を送るので、保険会社に請求してね」の一言で完了。

何から何まで安心でした。

エーテル

ちなみに病院での会話は英語。「英語をちゃんと勉強しててよかったな」と思いました!笑

請求額は67ユーロ。でも、この保険の本当の価値は「金額」ではなかった

後日病院から届いた請求書に記載されていた金額は「67.10ユーロ」。日本円にして1万円とちょっと。保険会社に請求したので自分の支払いはゼロ。

「なんだ、その程度か?」と思いましたでしょうか?

でも、もし保険がなかったら・・・
血まみれの片手でスマホを操作し、日曜に空いている病院を探し、英語が通じるかも分からない状態で電話し、支払い方法も金額もよくわからず、そもそも治療が受けられていたかどうか。

海外保険の本当の価値は支払いの部分ではなく、67.10ユーロの治療費ではありません。
出血の止まらないプチパニックの状態の自分を、日本語で適切にガイドし、適切な医療に導いてくれ、「安心」にしっかり繋いでくれた、そのプライスレスな部分こそが自分が受けた価値でした。

まとめ:これから海外へ行くあなたと、送り出すあなたへ

【人事・労務担当者の方へ】

日本の人口が減り、マーケットが縮小していく未来、海外ビジネスへ打って出る企業は多いと思います。
文化や言語、環境もなにもかも異なる海外では、社員に想像以上のストレスが掛かっています。怪我や病気のリスクは常に隣り合わせです。でも、日本にいる仲間では緊急性の高い社員の問題のサポートには限界があります
万が一の際に彼らの命と心を守るため、どうか保険はコストだけで選ばず、24時間日本語で医療サポートを受けられるような、手厚いサービスを基準に選んであげてください。

【海外へ行くご本人へ】

会社が準備している保険を、しっかりと理解することをおすすめします。
緊急時はとても焦ります。何があってもいいように、緊急連絡先をスマホに登録することはもちろん、紙でも準備しておいて下さい。
そして、私の経験から言えるのは、ワクチン接種証明の携行や最低限の英語力は、いざという時にあなた自身を助ける大きな力になる、ということです。
備えあれば憂いなし!英語学習のモチベーションにして下さい。

あなたの海外での挑戦が、安全で実りあるものになることを心から願っています。

海外保険はクレジットカード付帯でも大丈夫?

YESでもありNOでもあります。最近は「そのカードで支払いをしていないと保険が付帯しない」という利用付帯と呼ばれるサービスになっていることがあります。カード会社の保険条件をしっかり確認し、その内容だけで良ければ安心して出発して下さい。

保険会社はどう選ぶべき?

24時間・年中無休での日本語電話サポートをおすすめします。海外に”慣れている”自分でもこのサービスに救われました。

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