
こんにちは!エーテルビズトラベラー(@goenjoyabroad)です!
今回は20カ国以上に訪問経験のある自分も最初にとても気になっていた、「出張のマイルを個人で貯めていいのか?」のお話をさせてください!
- 日本の多くの企業では、出張で貯まるマイルは実務上「個人のもの」として扱われています。
- 法律的にも、通常は横領に当たりません(マイルは航空会社が会員に付与するポイントで、会社の資産ではないため)。
- ただし、会社規定が「会社帰属」や「私用禁止」を明記している場合は違反になり得ます。
- まずは自社規定を確認→文書で残す→賢く使うの順で進めましょう。
出張マイルは個人で貯めて、使っていい?



結論、”ほとんどの場合はOK”
慣習として個人のものとされる/福利厚生的に許容する企業が多数派。
自分も会社の出張で100万マイル近く貯めています
そもそもマイルは誰に与えられるのでしょうか?日本人の皆様が良く使われるであろうJAL, ANAの規定を調べてみました。
A:JMBのフライトマイルは、JALおよび提携航空会社の指定された区間および積算対象運賃で購入された会員本人名義の航空券(有償航空券)により、会員本人が規約・運送約款等の条件に従ってご搭乗いただいた場合に限り、当該航空券に基づいて積算されます。
JAL: JMB一般規約 18条 フライトマイル積算の条件 より引用
積算対象
会員ご本人様名義のご搭乗分のみ対象になります。
ANA: マイレージ積算条件 より引用
すなわち、マイルというものはチケットの費用を支払った会社(もしくは代理店など)ではなく、実際にそのフライトに搭乗した人に付与されるということです。
国内・海外出張をしている別の会社の友人に聞いても、ほぼ全員自分で貯めて使用していました。
”ほぼ”という点、気になりますねよね。以下がだめだったパターンです。
- 公務員(自粛・禁止が明文化されていることが多い)
- 会社が帰属を明記する規定がある
公務員は自分の親戚に実際に聞いたのですが、「自粛する」ように通達が出ているとのことでした。
海上自衛隊では、マイルの取り扱いとその使用方法まで規定されており、公用であれば有効活用出来るようにしているようで、管理に経費をしっかりかけている様子です。
公務員は風当たりの強い職業ですので、公用・私用の区別を厳格に行っているようですね。
また、実際に周りにはいなかったのですが、公務員でなくても会社が旅費規定や出張規定等で制限している可能性も考えられます。
海上自衛隊のように「規定に則りマイルを貯めることは可能、使用については公用に限る」と規定しているかもしれません。
まずは、自社の規定をしっかり調べ、不明な場合は経理や総務、人事などの担当部門に確認することが確実でしょう。
まずは自社規定の明文化を確認しましょう。曖昧なら下記の「確認テンプレ」を使って文面で残すのが安心。
法律的に「横領」になる?ならない?



結論、横領には当たらないと考えるのが一般的。
この場合の横領の要件とは、会社の金品を自分のものにすること。
マイルが「搭乗者」に与えられるものである=会社の資産ではないと考えるのが一般的。
ただし、先程書いたように、明確に禁止規定があるにも関わらず私用してしまった場合には、規定違反となり懲戒などのリスクがあるので要注意です。
会社の規定はどう見る?【3パターン別の実務対応】
① 個人利用を認める/慣行として許容
自分の周りでは、多くがこのパターンです。
特に申請等も必要なく、出張時には自分のマイレージカードにマイルを付与し、使用方法についても管理されません。
私の会社ではマイルに関する規定はなかったのですが、出張申請書の中に「マイレージ番号」という項目があり、会社もマイルの取得や活用を推奨していました。まさに慣行として許容されている状態です。
出張などでのマイルの取得は、特典として使用できるだけではありません。各航空会社が”よく利用する会員への優遇”を実施していることもあり、よりよい出張環境を実現するためマイルの取得を推奨していることも多いです。
② 会社帰属
マイルは貯めるが、使用方法等について会社指定のものにするルール運用をしている稀なパターンです。
もちろん、会社が支払いをしているチケットですから、企業としては管理をし、取得したマイルを次の出張のために使用するなどの活用をしたほうがいいかもしれません。
しかし、現実問題どうなのでしょうか?
担当部署、規約策定、関連システムの導入、定期的な真偽の確認・・・実際に企業で個人のマイルを管理しようとするとかなりのコストがかかることが容易に予測されます。
マイルはそもそも航空会社から個人に付与されるものです。
会社がお金を払っているとはいえ、別に損をしているわけではありません。
規定等で裏を取れているわけではないのですが、過去のニュース記事でトヨタなどでも出張で取得できるマイルを会社は管理していないという情報もあります。
とはいえ、規定として定められている場合はその通りに運用しなければなりません。
③ 規定がない・曖昧
あまり海外出張が多くないような企業にとって、そもそもマイルの取得やサービスの活用までを想定した規定を持っていない可能性が高いです。
そうでなくても、このパターンは結構多いと思います。
その場合は、自分の身を守るため、前述のように担当部署に文書で確認することが確実です。
- 下記テンプレで総務/人事/経理に確認し、回答を文面で保存。後日のトラブル回避。
確認メールテンプレ(コピペOK)
件名:出張で付与される航空マイルの取り扱い確認のお願い
本文:
いつもお世話になっております。出張搭乗時に航空会社から付与されるマイルの取り扱いについて、以下ご教示ください。
- 個人アカウントでの積算可否
- 特典航空券・アップグレード等の私的利用の可否
- 会社帰属や申請が必要な場合の手続き
- 禁止時の代替運用(会社アカウント等)
お手数ですが、社内ルールに沿って適切に運用したく、文面でのご回答をお願いいたします。
会社規定チェックリスト(4項目)
□ 個人アカウント積算の可否
□ 個人による私的利用の可否(特典/アップグレード)
□ 会社帰属・申請・報告の要否
□ 禁止時の代替(会社アカウント等)
会社に「バレる」ことはある?知られるケースと注意点



マイルを貯めているかどうかは、チケット(eチケット)等に記載されることが多いです。
最近では海外フライトでもすべて紙のチケットなし、eチケットのみでの搭乗も一般的になってきていますが、搭乗前にマイルを積算していた場合、ご自身の会員番号が含まれていることがあります。
もし、経費精算なので実際にしようしたチケットを出す必要がある場合、バレる可能性大です。
バレる、バレないという面で、「会社経費で出張にたくさん行き、マイルを貯めまくっている」という事実に対して社内で不公平感・嫉妬(あの人ばかりずるい)などからトラブルになることもあります。
そのあたりは配慮が必要かもしれないので気をつけることをおすすめします。
規定で認められている以上、隠す必要はないですが、人の感情は分からないものです。
SNSや社内の会話で「マイルが貯まっている」ことを大々的に言うことはおすすめしません。
トラブル回避のため、規定を遵守し、TPOに配慮して円満にマイルを活用しましょう。
海外出張でもマイルはどれくらい貯まる?



長距離出張をかなりしていた時期もあり、ピーク時には年間33万マイルを貯めたことがあります!
フライトによって貯まるマイルは、クラスや料金種別によって変わります。
同じフライトでも、ビジネスクラスの方がエコノミークラスよりも貯まることが多いですし、同じエコノミーでも高いチケットの方が安いチケットより貯まることが多いです。
- ヨーロッパや北米にエコノミークラスで往復した場合、数千-10,000くらい貯まります
- アジアでは1,000以下~3,000程度くらい貯まります
それぞれの条件で貯まるマイル数を調べるサービスなどもあります。
JAL マイル数をしらべよう!
出張マイルの賢い使い道ベスト3
貯まったマイルの使い道は本当にいろいろあります!
こだわりだすと面白い分野です。
賢い使い道は時と場合によりけりなので、「海外出張」に絞った使い方ベスト3をお知らせします。
- 長距離アップグレード:チケット種別に制限はありますが、マイルを使用してエコノミークラスのチケットをビジネスクラスにアップグレードできることがあります。ビジネスクラスに乗ると、自分を見失うくらい贅沢で楽な飛行機体験を味わえます!笑
- 出張関連商品に交換:それぞれの航空会社が独自にマイルと商品を交換出来るサービスを実施しています。航空会社だけあって、出張や旅行に特化した製品(航空会社が企画したスーツケースなど)もあるので、次の海外出張をより快適にするためにもおすすめです。
- Amazonポイントなどお店のポイントに変更:上の特典交換に欲しいものがない場合、もうお店のポイントに交換してポイントで入手してしまう手もあります!自分はスーツケースをこの方法でゲット。
よくある質問(FAQ)
Q. 出張マイルは個人で使ってOK?
A. 多くの企業で個人利用が実務上の主流です。念のため自社規定の確認を。
Q. 横領になる?
A. 一般に当たりません。マイルは航空会社が会員に付与するポイントで、通常は会社資産ではありません。ただし禁止を明文化する規定があるなら規定違反です。
Q. 海外出張でも貯まる?
A. 貯まります。長距離は特に効率的。予約クラスと積算率の確認を。
Q. 会社にバレる?
A. 書類・会話で把握される可能性はあります。規定順守と配慮が大事です。




この記事は2025年に内容を更新しています。社内規定は会社ごとに異なります。最終判断は規定に従い、必要なら担当部門へ確認してください。
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